2025年度 インフラメンテナンス賞の発表

インフラメンテナンス プロジェクト賞

応募いただいたプロジェクトの中から、インフラメンテナンスにより特に地域のインフラの機能維持・向上に顕著な貢献をなし、地域社会の社会・経済・生活の改善に寄与したと認められるプロジェクトを選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス プロジェクト賞」として表彰することとした。

①供用中の高速道路におけるU 型土留めを利用したインバート急速施工
(プロジェクト主体:東日本高速道路㈱関東支社、三井住友建設㈱・佐田建設㈱特定建設工事共同企業体、国立研究開発法人土木研究所)
供用中の高速道路におけるインバートを追加施工する工事において「クイックre インバート工法」を初めて適用した。U 型土留めをインバート本体に使用し従来の親杭横矢板工法を省略することにより、交通災害リスク低減や施工日数の短縮を実現し、安全性と効率性が確保できる新たなトンネル維持管理の施工方法を実証した。

②高強度繊維補強セメント系複合材料VFC を用いた高速道路のリニューアル -岡谷高架橋改良工事-
(プロジェクト主体:中日本高速道路㈱、鹿島建設㈱
長野自動車道岡谷高架橋の改良工事において、高強度繊維補強セメント系複合材料VFCを活用した床版打替えと耐震補強により、構造物の耐久性・安全性を飛躍的に向上させた。通行止めを伴わない施工により交通影響を最小限に抑え、地域の経済活動の維持発展や利用者の安全確保に大きく貢献した。

③ 東海道新幹線第二上飯田原こ線橋他1補修・補強工事
(プロジェクト主体:横浜市道路局建設部橋梁課、東海旅客鉄道㈱建設工事部土木工事課
横浜市内の東海道新幹線に架かるこ線橋(2カ所)について、経年劣化の進行による損傷や道路荷重の引上げにより補修・補強を行う工事を行った。新幹線の運行終了後、毎夜、線路内やのり面へ仮設足場を設置して行う作業であり、約1,400 回の夜間作業を7 年5 ヶ月という長期にわたり施工を行い、無事故・無災害で完遂した。

④ソーシャルロスを最小化する新しい施工システムを用いた道路橋床版取替リニューアルプロジェクト-広島自動車道伴高架橋(上り線)床版取替工事-
(プロジェクト主体:西日本高速道路㈱、鹿島建設㈱
広島自動車道伴高架橋(上り線)床版取替工事において、交通規制による渋滞や経済損失(ソーシャルロス)を最小限に抑えるため、1車線ずつ規制を行う方式(幅員方向分割取替)や移動式施工機械を活用した新しい施工シ
ステムを実工事で初めて導入し、床版取替期間を大幅に短縮するとともに、施工効率・安全性・経済性の向上も同時に実現した。

⑤超高強度繊維補強コンクリートを用いた床版架替え工事について
(プロジェクト主体:国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所
超高強度繊維補強コンクリートを用いた床版技術は、「国土交通省 道路技術懇談会」において新技術導入促進計画に位置付けられており、その利用促進を目的として「道路橋の繊維補強コンクリート床版の性能確認マニュアル(案)」が策定されている。今回、長野県内の国道にて試行工事
を行い、マニュアルの適用性を実証検証した。

⑥供用中の高速道路で初となる切土構造を門型カルバートによるトンネル構造へ転換する地すべり変状対策の先進的取り組み
(プロジェクト主体:東日本高速道路㈱関東支社、㈱フジタ・エム・エムブリッジ㈱特定工事共同企業体
上信越自動車道・蓬平地区では、建設時ののり面崩壊や供用後の継続的な変位により、抜本的な地すべり対策が求められていた。そこで、交通への影響を最小限に抑えながら、供用中の高速道路として初めて、道路上に門型カルバート構造を構築し、その上に押え盛土を施すことで切土構造をトンネル化し、地すべりの安定化を実現した。

インフラメンテナンス チャレンジ賞

応募いただいた取り組みの中から、点検・診断、設計、施工・マネジメント等の個別または組合せ技術を駆使し、特に地域のインフラメンテナンスに寄与したもの、あるいは、創意工夫によりインフラメンテナンスに対する管理者、市民等ステークホルダーの意識の向上が認められた取り組みを選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス チャレンジ賞」として表彰することとした。

① みんなでぬりかえ、未来へつなぐ安心の橋~プロジェクト1184~
(取り組み主体者:七宗町
町が管理する橋梁の維持管理について、住民、特に次世代を担う地元小学生のインフラへの関心を高めてもらうことを目的に地域参加型の橋梁塗装プロジェクトを実施した。従来の啓発活動を越え、町の橋梁の現状や土木の役割を学ぶ座学に加え、実際の橋梁を教材とした体験を組み合わせた「住民参画型インフラ維持管理モデル」を実現した。

② 点検合理化によるコスト縮減および橋梁メンテナンス体制の強化(高岡モデル)
(取り組み主体者:高岡市、横浜国立大学、NiX JAPAN㈱
「高岡モデル」は、産官学共同研究により得られた独自の橋梁維持管理モデルであり、点検対象を重要変状に限定した合理的な点検基準を作成することで、品質を確保しつつ点検費用縮減による修繕の加速化を可能としたものである。今回、実点検に導入しコストダウンや地元企業の技術力向上等につなげ、持続可能な橋梁メンテナンス体制の強化を実現した。



③ 土木業界で働こう!工業系高校生スキルアップ授業
(取り組み主体者 :高岡市、高岡工芸高等学校土木環境科
地域インフラの維持管理や災害対応を担う若い技術者の確保を目的に、土木を専攻する工業系高校生を対象とした“市民生活を支え、暮らしの安全を守る土木”の重要性と魅力を学ぶ「スキルアップ授業」を展開することで、卒業後の進路として建設業界への進学・就職を促すとともに、職員の確保及び業界の発展と活性化に貢献した。
④ AI 劣化予測と非開削工法を活用したガス導管の戦略的アセットマネジメントの実現
(取り組み主体者:東邦ガスネットワーク㈱
AI を活用した科学的根拠に基づく劣化予測による更新計画の高度化と高難度管路の非開削入替を可能とした工法開発を連携させ、従来は分断されがちであった管路更新プロセスをデータに基づき一貫して実施する高度な維持管理プロセスを確立し、予防保全型の持続可能なガス導管アセットマネジメント体系を確立した。
⑤鉄道構造物の状態を遠隔でモニタリングするシステム(ReMoSys)の開発と導入
(取り組み主体者:R 東日本コンサルタンツ㈱、東日本旅客鉄道㈱、ソナス㈱、しなの鉄道㈱
鉄道橋りょうなど様々な構造物の状態をセンサ1台で遠隔監視できるシステムを開発した。電池駆動の省電力無線加速度センサを活用し、目的に応じた多様な解析処理をクラウド上で行うことにより、高頻度な監視を可能 にした。供用中の構造物で実際に全国で多数導入され、現場作業の省力化や分 析評価の高度化に寄与している。


⑥ 「水門アクアリウム」市民参加で社会インフラとまちを守る
(取り組み主体者:㈱IHIインフラシステム
ゲーミフィケーションを活用したスマートフォンアプリ「水門アクアリウム」を通じて市民が楽しみながら水門の保全活動に参加できる取組みを行った。2024年12月には千葉県香取市で実証試験を開催し、地域の方々が「水門設備」の簡易目視点検を楽しみながら、社会インフラの重要性の理解を醸成することにつながり、市民参加によるインフラ維持管理の促進に貢献した。
⑦ 水門維持管理の高度化を目指す人材育成拠点の整備と運用
(取り組み主体者:㈱IHIインフラシステム
㈱IHIインフラ建設は、水門の点検・整備・運用に携わる維持管理技術者の育成を目指した日本初の体験型研修施設である防災・水門技術研修所を設立し、自社に限らず官公庁や公共機関の技術者なども研修対象に広げ、水門の維持管理分野全体の技術レベル向上を実現するとともに持続可能な人材育成の仕組みを提供した。


⑧ ゲームエンジンを活用した損傷情報の3 次元記録に向けた取組
(取り組み主体者:静岡市建設局、㈱エイト日本技術開発
橋梁点検において、点検結果の記録は依然として紙データであることが多く、記録の効率化・高度化が課題であった。その課題に対し、ゲームエンジン活用によりドローン撮影画像から3 次元モデルを作成し点検結果(損傷情報)を記録する「3次元記録」を作成することで、記録の効率化・高度化を実現し、メンテナンスの充実化と新3K推進に寄与した。
⑨ 新幹線モニタリング車による線路設備の「スマートメンテナンス」
(取り組み主体者:東日本旅客鉄道㈱、㈱日本線路技術
新幹線の保守業務において、レール内部の傷等の状態やまくらぎ等の状態を点検・検査する2種類のモニタリング車による検測体制を構築した。それにより、線路設備状態に応じた補修を可能にするCBM(状態基準保全)と業務の省力化・効率化による働き方改革の両立を実現し、AIを活用した業務システムによる安全安定輸送のさらなるレベルアップを実現した。



⑩熊本城飯田丸五階櫓石垣復旧事業
(取り組み主体者:㈱大林組
熊本地震により崩壊した飯田丸五階櫓石垣の文化財的価値を保全するため、石垣背面の栗石は、人力による噛み合わせと突き固めによって復元する必要があった。そこで、栗石間の噛み合わせを阻害しないグリグリッド工法を開発・採用し、文化財的価値の損失を最小限にとどめ、効果的な耐震補強を実施した 。
⑪ 下水道における維持管理と情報システムの連携によるリスクマネジメントの実現
(取り組み主体者:川崎市上下水道局
下水道事業におけるアセットマネジメントの導入にあたり、それまでの点検・調査・修繕・改築などの業務プロセスを再構築し、健全度推移などの情報の蓄積等からリスク値を評価し、将来予測による事業費確保や改築優先度判断などを行うことで、施設の状態監視による予防保全型の維持管理を推進し
た。
⑫ 地域との協働によるガタ土撤去
(取り組み主体者:福岡県南筑後県土整備事務所
有明海沿岸に流入する河川は、有明海特有のガタ土(微粒子の土砂)の堆積が顕著であり、掘削による河道断面確保は維持管理上必要な流域治水の1つである。一方、周辺は漁業・農業が盛んな地域であり、地域共生を実現する持続可能な維持管理が課題であったが、利害関係者との合意形成を踏まえ、農業用水の先行排水と合わせたガタ土撤去により地域との協働を実現した。

⑫ AI×スポーツカメラによる新たな下水道管内調査
(取り組み主体者:京都市上下水道局、パシフィックコンサルタンツ㈱、㈱Rist
下水道管路調査において、膨大な調査延長・コスト等の課題を解決するため、高画質管口カメラ調査とAI 画像判定技術を組み合わせる手法を開発した。具体的には、現場での撮影品質を確保する「管内画像良否判定ツール」と劣化度を定量的に評価する「管内劣化判定ツール」の2 種類のAI ツールにより、管路内調査の効率化を実現した。

 

 

インフラメンテナンス エキスパート賞

応募いただいた方の中から、インフラメンテナンスに関する極めて優れた技術または技能を有し実務において顕著に活躍している個人を選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス エキスパート賞」として表彰することとした。

① 秋山 良壮(あきやま りょうそう)

② 石井 武(いしい たけし)
新技術の「引張ラジアルゲート」導入等、豊富な経験と高い技術力をもって河川・ダム管理施設の維持管理を主導するとともに、国土交通省中国地方整備局中国技術事務所長として、様々なインフラメンテナンスの推進を図りながらインフラメンテナンスを担う人材の育成にも寄与した。退官後の現在においても水文観測の分野等において指導・助言を精力的に行っている。

関東地方整備局で初代道路保全企画官・道路情報管理官として、橋梁長寿命化修繕計画の策定促進を図るための人材育成や技術支援を行うとともに、市区町村に現地実習を組み合わせた研修を企画・実施し、インハウスエンジニアの技術力向上に尽力した。退官後も橋梁定期点検実施要領の改訂に携わる等、長きにわたり多様な活動を通じてインフラメンテナンスの推進に貢献した。

③ 岡田 務(おかだ つとむ) ④ 北山 耕造(きたやま こうぞう)
北海道開発局で長年にわたり道路維持管理とインフラメンテナンスの体制構築を主導し、北海道道路メンテナンス地方会議の設立など、道路施設等の予防保全・老朽化対策の強化を図る仕組みを構築した。北海道開発局を退職後も地方自治体等への技術支援やインフラメンテナンスの広報に尽力され、北海道全域のインフラマネジメントの推進に顕著な貢献を果たした。 PC橋に関する幅広い知見を活かし、橋梁調査会で17年以上、診断員の統括的立場として、マネジメントの実施や年間約700橋の診断結果の確認・評価を行い、診断の統一性と信頼性の確保に貢献している。自治体支援等についても技術的助言による人材育成や緊急要請に対する迅速な現場確認などで顕著な貢献をし、インフラメンテナンスの推進に大きく寄与した。
⑤ 佐藤 正和(さとう まさかず) ⑥ 谷田 広樹(たにだ ひろき)
35年以上にわたり高速道路の舗装分野全般に携わり、高機能舗装Ⅰ型の設計要領・施工管理要領の策定や既設舗装の非破壊健全度評価の導入など、高速道路の舗装技術の高度化やメンテナンスの効率化に大きく寄与した。高速道路全体の舗装技術を牽引し、現場課題に対する解決方針の指導や技術者育成を通じて、持続可能なインフラ維持管理体制の構築に顕著に貢献した。 ダムという土木、電気通信、機械設備等の複合構造物に対して幅広い知識が求められるインフラメンテナンスにあたり、ダムの設計・工事・管理に至る過程の中で、ダム技術者である国土交通省地方整備局・地方公共団体職員及び委託技術者等の幅広い人材の育成や技術力向上のための精力的な活動を行い、ダムの適切なインフラメンテナンス推進に対して大きく寄与した。
⑦ 翠 昭博(みす あきひろ)  
岐阜大学の「社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座」等を通じ、教育者として土木構造物メンテナンスの技術者育成に寄与した。また、「MEの会」の事務局長としての技術者同士の交流や情報共有の促進等を通じ、技術の普及と啓発の推進にリーダーシップを発揮するとともに、地域住民向けの出前講座の実施を通じた社会全体の意
識向上に寄与した。
   

インフラメンテナンス マイスター賞

応募いただいた方の中から、インフラメンテナンスに関する技術やマネジメント全般において、豊富な実務経験に基づく卓越した総合的かつ指導的能力を有し顕著に活躍している個人を選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス マイスター賞」として表彰することとした。

①足立 幸郎(あだち ゆきお) ② 笹原 克夫(ささはら かつお)
高速道路の新規路線に係る建設事業をはじめ、阪神・淡路大震災により被災を受けた道路構造物の復旧に向けた技術面での支援、大規模更新・修繕事業に係る立案等、幅広い分野に貢献してきた。「冗長性」「進行性」の観点を踏まえた点検判定方法の導入や点検時応急措置に関する仕組みの体系化を通じ、点検業務の高度化・効率化、構造物の延命化に大きく貢献した。 高知大学において教鞭をとる傍ら、道路及び河川の施設メンテナンスに関して、理論的学術的研究にとどまらず、国や地方公共団体の実務の現場に足を運び、時には住民等の利害関係者との意見調整の役割も担いつつメンテナンスの実践に寄与してきた。地方の実情を国や中央にも披歴することで、より実践的で効果的な道路土工構造物等マネジメント実現に大きく貢献した。
③ 寺田 剛(てらだ まさる) ④ 本間 淳史(ほんま あつし)
豊富な実務経験を背景に、舗装分野における研究、行政・道路管理者支援、業界全体の技術力向上等に大きく貢献した。改質アスファルトの普及や「移動式たわみ測定装置(MWD)」の開発・特許取得などにも携わり、(一財)土木研究センターの部長職として現在も業界全体の技術力向上等の業務に従事するなど、実務面での貢献は極めて高く後進の育成にも顕著な活躍をした。 約35 年にわたり高速道路の構造物を中心とした技術開発や建設・維持管理に携わり、PC鋼材の防錆課題の対応や熊本地震発生後の既設橋の耐震補強等、構造物の長寿命化・強靭化対策において顕著な貢献をしてきた。「橋梁メンテナンスのための構造工学入門(実践編)」の発刊等、技術者育成・技術伝承等にも寄与し、豊富な知識と経験に基づき数多くの功績を上げている。
⑤ 村田 一郎(むらた いちろう)  
山陽新幹線のコンクリート構造物を中心に鉄道構造物の維持管理に幅広く携わり、トンネルの剥落事故対応等、豊富な経験に裏打ちされた卓越した技術力をもって、指導的立場で安全性確保や構造物の長寿命化に貢献してきた。高度な診断技術と広い視野で数々の課題を解決し、技術基盤を支える専門技術者等の人財育成を積極的に行い、次世代の育成にも熱心に取り組んできた。    

インフラメンテナンス 優秀論文賞

インフラメンテナンス実践研究論文集は、インフラのメンテナンスを実践した国内外の事例を集め、広く公表、周知することを目的としている。すなわち、メンテナンスの現場で具体的に実践された手法や取り入れられた仕組みに創意工夫がみられ、今後のインフラメンテナンスの技術の進展や実務上の展開が期待される有用な論文を募集した。
また、論文の査読及び表彰論文の選考にあたっては、実践的な内容で実装による効果や将来性の進展が期待できる論文、特色のある内容で将来の進展につながる考察がなされた論文を重視した。
以上のことから、登載される論文は、いずれも社会で取り組まれた実践的な活動内容であり、将来の進展が期待される研究であることから、今回、その実践研究論文の中から、特に優秀と認められる論文を選考し、「優秀論文賞」として表彰することとした。

冬期道路への適用を目指した改良型粒状酢酸カリウム系凍結防止剤の性能評価(第一著者:門田 峰典(北見工業大学))
本論文は、塩化物系凍結防止剤がもたらす環境影響・腐食リスクという実務上の重要課題に対し、酢酸カリウム系材料の冬期道路適用を、成分改良から室内試験、走行試験、さらには実橋梁での散布試験まで一貫して検証しており、研究の完成度と実装志向が高い。刺激臭に対する改良や融氷性能についても確認しており、実務的成果が顕著で価値の高い論文である。
脱着に優れたコンクリート製踏切舗装版の開発 (第一著者:田中 俊史(西日本旅客鉄道株式会社 鉄道本部 施設部))
本論文は、踏切舗装版の脱着時の作業性向上を目的に構造改良を検討し、実際に軌道に敷設してのフィールド確認と、数値解析モデルによるボルト負担力の検証により、その有効性を確認している。実用性が高く作業の効率化に資する改良であり価値の高い論文である。
塩分が残存する鋼材に適用する塩分低減剤の性能評価 (第一著者:藤川 祥汰(大伸化学株式会社 技術部 開発課)
本論文は、塗装の塗替え時に課題となっていた残留塩分の除去を目的として、塩分低減剤の性能評価について室内および実橋にて検証を実施し、その有効性を確認している。実用性が高く他の橋梁への汎用性も高く、実践的かつ価値の高い論文である。
既設鋼橋の塗装塗替えに新しい長期耐久性型塗装系を適用した場合の長期耐久性評価 (第一著者:藤本 大輝(東海旅客鉄道株式会社 総合技術本部技術開発部)
本論文は、塗装の塗替え時に塗装の長寿命化を目的として、長期耐久型の塗装系の性能評価について、熱老化試験を用いて促進試験を実施し60年相当分の長期間の性能に関する検証を行っている。さらに屋外にて暴露試験を合わせて実施しその有効性を確認している。実用性が高く他の橋梁への汎用性も高く、実践的かつ価値の高い論文である。
クリップ型ばねを用いた注入式接着系あと施工アンカー工法の適用 (第一著者:山﨑 彬(青木あすなろ建設株式会社 技術研究所)
本論文は、注入式接着系あと施工アンカー工法における施工品質と施工効率の両立という実務上の課題に対し、クリップ型ばねという独創的かつ簡便な技術を提案した点に高い新規性と実用性が認められる。性能確認試験や大規模な橋梁耐震補強工事への実適用を通じ実運用上でも有効に活用できることを確認しており、社会実装に直結しており実践的かつ価値の高い論文である。
鉄道線路における積雪状況の面的把握に向けたAI画像判別システムの開発と実証 (第一著者:林奈津子(東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター 防災研究所))
現場社員が列車に添乗し目視で行っていた線路の積雪状況の把握を、AI画像判別システムに置き換える技術である。人的負担を軽減するとともに、積雪状況の面的把握が可能になったことが示されている。AIによる判別の正解率も高く、実践的かつ価値の高い論文である。
ドローンによる橋梁点検実施までの実務上の課題と改善策の提案 (第一著者:関谷 龍都(首都高技術株式会社))
橋梁点検の効率化と高度化にはドローンの活用が推奨されている。本論文は橋梁点検にドローンを採用する場合の法令上の要件を整理し、点検着手まで手続きとその課題・改善策について論じており、構造物点検の実務者にとって有益で実践研究として価値の高い論文である。
 

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(公社)土木学会 研究事業課  飯野
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