2022年度 インフラメンテナンス賞の発表

インフラメンテナンス プロジェクト賞

応募いただいたプロジェクトの中から、インフラメンテナンスにより特に地域のインフラの機能維持・向上に顕著な貢献をなし、地域社会の社会・経済・生活の改善に寄与したと認められるプロジェクトを選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス プロジェクト賞」として表彰することとした。

①マタディ橋保全計画(送気システム導入)及びマタディ橋維持管理能力向上プロジェクト橋梁点検機材据付支援業務(橋梁検査車導入
(プロジェクト主体:(独)国際協力機構、(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル
JICAはコンゴ民主共和国のコンゴ川を渡河するマタディ橋において、橋梁検査車の供与、ケーブル送気システムの導入及び維持管理の指導などを行い、マタディ橋の延命に関する技術支援を行った。
②東名高速道路 大和トンネル拡幅事業
(プロジェクト主体:中日本高速道路(株) 東京支社
東名高速道路の渋滞緩和を目的に既設トンネルを拡幅する工事において、設計段階での工夫による既設断面への負担軽減や既設側壁撤去における施工検討での片側3車線確保により、供用中の路線への影響を最小限にし難易度の高い工事を完成。

③「ドライブレコーダー×AI」を活用した空港滑走路の調査及び点検
(プロジェクト主体:(株)南紀白浜エアポート、日本電気(株)、(株)オリエンタルコンサルタンツ
滑走路における日常点検において、ドライブレコーダーの撮影をもとにした「AIによるき裂・損傷箇所の自動検知」を取り入れることで、損傷の見落としリスクを軽減させ、点検者によらない定量的な把握が可能となった。

④分岐器融雪ピット~降雪期における分岐器不転換防止対策~
(プロジェクト主体:北海道旅客鉄道(株) 鉄道事業本部 工務部 工事課
積雪寒冷地における鉄道の安定輸送確保に向け「分岐器融雪ピット」を開発し、持ち込み雪や落下雪による不転換対策に長年取り組んできた。開発後も改良を重ね、北海道内の84箇所に設置されている。
⑤高速道路リニューアルプロジェクトにおける円滑な交通確保の取り組み
(プロジェクト主体:東日本高速道路(株) 北海道支社札幌管理事務所、関東支社京浜管理事務所、新潟支社長岡管理事務所
高速道路の長期健全性確保に向けた大規模更新・修繕工事において、「ロードジッパーシステム」によるシームレスな車線切替及び各地域の特性を考慮した交通規制の実施により、円滑かつ安全な交通確保を実現。
⑥稚内港北防波堤ドーム予防保全事業
(プロジェクト主体:国土交通省 北海道開発局 稚内開発建設部 稚内港湾事務所
変状を鉄筋腐食リスクにリンクさせた5段階の劣化度で格付けし、エリア単位で評価した「劣化度マップ」を考案。床版部外面の補修工事を進め、歴史的価値のある稚内港北防波堤ドームの予防保全に取り組む。

インフラメンテナンス チャレンジ賞

応募いただいた取り組みの中から、点検・診断、設計、施工・マネジメント等の個別または組合せ技術を駆使し、特に地域のインフラメンテナンスに寄与したもの、あるいは、創意工夫によりインフラメンテナンスに対する管理者、市民等ステークホルダーの意識の向上が認められた取り組みを選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス チャレンジ賞」として表彰することとした。

①トラック積載型システム作業床「フラップリフト®」開発プロジェクト
(取り組み主体者:(株)大林組
トンネル半断面の作業床を確保し、大型トラック荷台上で作業床を展開できるフラップリフトの開発により、道路トンネルのリニューアル工事での作業効率向上、交通規制期間の短縮を可能とした。
②高校生との協働による道路インフラメンテナンスの取組
(取り組み主体者:岩手県
岩手県内の土木系学科の高校と連携し、実際に学生が道路橋点検を実施。その点検結果は岩手県の道路橋長寿命化修繕計画等の基礎資料として活かされており、高校生のインフラメンテナンスに関する興味・関心の向上や土木の魅力発信に繋がっている。
③まいど通報システム
(取り組み主体者 :大阪府
大阪府が管理する一般国道及び府道、河川、府営公園の損傷などの不具合について24時間いつでも通報できる「まいど通報システム」を導入。府民にとって気軽かつ有意義な通報手段となっている。
④宅地地盤相談制度の確立および地盤災害に向き合う共創の場の構築と実践
(取り組み主体者:(一社)地盤品質判定士会 神奈川支部
宅地を重要なインフラであるとの認識のもと、地盤品質判定士の神奈川支部を全国で初めて立ち上げ、市民の相談窓口となる登録相談員制度を構築。自治体と連携した相談会や市民参加の防災セミナーを開催するなど宅地地盤の課題解決に取り組んでいる。
⑤電気探査を活用した堤内地の詳細な地盤情報を反映した堤防の浸透に対する安全性照査手法
(取り組み主体者:国土交通省 四国地方整備局 那賀川河川事務所、応用地質(株)
パイピング破壊に重要な浅部の分解能が高い改良版の牽引式電気探査を用いて、堤内地の詳細な地盤情報を反映しモデル化することで、被覆土層厚、行き止まり構造、複層構造を考慮したより精度の高い安全性照査を示すことが可能となった。

⑥センサBOXだけで始められる傾斜・伸縮監視システムOKIPPA~インフラ点検業務の省力化への取り組み~
(取り組み主体者:西松建設(株)
センサBOXを現地に設置するだけで監視が始められる「傾斜・伸縮監視システムOKIPPA」を開発。全国の道路、鉄道および電力などのインフラ施設の監視用に1,000台以上が導入されている。

⑦桟橋上部工を対象とした点検ロボットと診断支援システムの開発
(取り組み主体者:(国研)海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
遠隔操作できる点検ロボットにより位置情報付き画像を撮影し、撮影画像から生成した3Dデータを利用することにより、桟橋上部工の展開図の作成~変状の検出~劣化度判定~点検帳票の作成までを半自動で行う診断支援システムを開発。桟橋上部工の点検業務の安全確保と作業効率化を実現。
⑧インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラム テックシニアーズ
(取り組み主体者:インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラム
現役を卒業した実務経験豊富な技術者による支援ユニット「テックシニアーズ」を結成し、自治体が抱える様々な課題に対して「よろず相談」を受付け、技術支援に精力的に活動している。
⑨橋梁の予防保全型維持管理への移行を踏まえた道路ストック包括的民間委託
(取り組み主体者:田原本町(奈良県)、大阪公立大学、(株)オリエンタルコンサルタンツ
奈良県田原本町をフィールドにECI方式をカスタマイズした複数年で一括発注する包括的民間委託を実践し、5年間で50橋の事後保全を完了。橋梁だけでなく道路ストックについても制度設計を進め、新しい維持管理の在り方として提案。
⑩近畿地方における市町村の橋梁メンテナンスサポートと「目安箱」の設置
(取り組み主体者:(一財)災害科学研究所 社会基盤維持管理研究会、(一社)近畿建設協会
近畿地方の市町村職員を対象とした研修会・講習会の開催、個々の案件に対応する「目安箱」の設置と実践を体系化することにより、橋梁メンテナンスのサポート体制と仕組みを構築した。

インフラメンテナンス エキスパート賞

応募いただいた方の中から、インフラメンテナンスに関する極めて優れた技術または技能を有し実務において顕著に活躍している個人を選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス エキスパート賞」として表彰することとした。

①伊東 寛之(いとう ひろゆき)

②金本 功(かねもと いさお)
大阪府の土木技術者として、優れた技術・見識と斬新的な発想力をもって、官学民連携のもと各種構造物のインフラメンテナンスに係る建設機械の開発、各種計画・マニュアルの策定等全国自治体の先行事例を実践するなど自治体の技術力向上に貢献してきた。 阪神高速道路を中心とした構造物の点検に従事する建設コンサルタントの技術者として、豊富な経験と実績に基づき「点検標準」等基準化に参画するとともに、点検データの電子化・データベース化等現在のBMSの発展に貢献してきた。
③末岡 英二(すえおか えいじ) ④内藤 幸美(ないとう ゆきみ)
劣化進行モデルを用いた桟橋RC上部工の維持管理の考え方やアセットマネジメントを取り入れた維持補修計画の策定、海洋環境下におけるコンクリート構造物の長寿命化に向けた技術開発と現場適用に貢献してきた。 国土交通省の土木技術者として、整備局管理のみならず自治体が管理する道路構造物についても管理方針をリードし、様々な支援を講じるとともに、自ら岐阜大学の「社会基盤メンテナンスエキスパート養成講座」において橋梁のアセット、設計基準の変遷等に関する講義を継続的に行うなど、技術者育成に貢献してきた。
⑤平手 克治(ひらて かつはる) ⑥藤原 博明(ふじわら ひろあき)
磁気探傷試験、超音波探傷試験等の非破壊検査技術を活用して、一般的な点検では損傷程度を把握できないものや疲労・アルカリシリカ反応・塩害の重大損傷の規模や範囲の特定に関して貢献するとともに、インフラ調査士の資格・講習等に寄与してきた。 国土交通省の土木技術者として、各県に道路メンテナンス会議を立ち上げ、各々の進捗状況の共有や直轄診断や各種研修、講習会などの支援に尽力するとともに、特に、VRの仮想空間での橋梁点検講習ツールを開発し、自治体職員を対象に活用し技術力向上に貢献してきた。
⑦松田 芳範(まつだ よしのり) ⑧Luiza H. Ichinose(るいーざ ひろこ いちのせ)
鉄道コンクリート構造物に関する業務に携わり、特にアルカリ骨材反応に関して実構造物の詳細な調査を行い、JR東日本独自の抑制対策を策定し、全国的な対策に拡げるとともに、PC鋼線の破断測定技術や粘着シートを活用した防水工など新たな補修技術開発にも大きく貢献してきた。 橋梁等のインフラの非破壊検査業務に従事するとともに、国の研究プロジェクトに参画し高齢化を迎えた長大橋梁の診断と長寿命化、重交通路線の橋梁の点検効率化など構造物の点検や診断、モニタリングを通じてインフラの安全性の確保や長寿命化に貢献してきた。

インフラメンテナンス マイスター賞

応募いただいた方の中から、インフラメンテナンスに関する技術やマネジメント全般において、豊富な実務経験に基づく卓越した総合的かつ指導的能力を有し顕著に活躍している個人を選考し、以下の通り、「インフラメンテナンス マイスター賞」として表彰することとした。

①石橋 忠良(いしばし ただよし) ②伊藤 賢一(いとう けんいち)
鉄道構造物の維持管理に関わる技術基準の策定に参画するとともに、コンクリート構造物の震災復旧・耐震補強の技術開発と実施、ASRを生じたコンクリート構造物の維持管理手法の提案などインフラメンテナンスの発展に大いに貢献してきた。 東名高速道路の維持管理業務に従事し、精力的に課題解決のための要領策定や技術開発を実施し、その成果は全国に展開され、近年はそのメンテナンスの経験を活かし若手人材育成に貢献してきた。
③小山内 政廣(おさない まさひろ) ④上阪 康雄(こうさか やすお)
鉄道分野において、線路メンテナンス技術者として、技術の進歩や環境の変化に対応した新しいメンテナンスの考案や技術開発等の業務の近代化に取組み、これに伴うルール・体制作り、その技術指導・定着に活躍され功績をあげてきた。     日本海沿岸の塩害橋梁に関して、自ら継続して観測を続けるとともに、ドイツでの経験に裏打ちされた豊富な人脈を形成し、欧州の橋梁の損傷事例や維持管理技術、新材料等の最新技術の普及に努めてきた。
⑤實延 栄二(じつのぶ えいじ) ⑥髙木 千太郎(たかぎ せんたろう)
高速道路の保守及び建設の豊富な経験に基づき高速道路メンテナンスを考慮した建設業務を推進するとともに、近年は笹子トンネルの天井板崩落事故等の対応を踏まえてOJTによる若手の育成、品質・安全や工事管理マネジメントの指導を積極的に行ってきた。 東京都、首都高速道路技術センターにおいて、橋梁の維持管理、長寿命化に尽力し、徹底した現場主義を貫き、自らの現地診断の実績が多く、その知識・技術は講習会や研修を通じて若手技術者の人材育成に大きく寄与してきた。
⑦谷倉 泉(たにくら いずみ) ⑧内藤 英晴(ないとう ひではる)
実橋梁による調査や載荷試験、解析等により補修・補強対策を提示するとともに、諸外国での維持管理調査、学協会活動や国・自治体等での委員会で活動している。また、最近は様々なメディアを通じて学生や社会人へ向けた国内外のインフラメンテナンス技術の理解・興味を深める取組みを継続している。 海洋・港湾構造物の維持管理の現場で活用されているマニュアルの策定とともに、自ら各種講習会の講師を務めるなどメンテナンス技術の発展と人材育成を牽引している。海洋・港湾構造物維持管理士会の初代会長として、当該分野の発展に寄与してきた。
⑨成井 信(なるい しん) ⑩西川 和廣(にしかわ かずひろ)
ドイツへの留学や本州四国連絡橋の設計・施工・維持管理に携わった豊富な経験を生かし、福島を中心として、数多くの地域の橋梁に足を運び点検を支援するとともに、水の作用に着目した橋の維持管理を長年実践するなど、地域の橋守として最前線で活躍している。 建設省、国土交通省の研究所を拠点に日本を代表する橋梁技術の専門家として道路床版の技術開発や補修補強方法の実践、震災後の早期復旧・復興への指導等に多大な功績があり、近年、橋梁技術、特にメンテナンス技術の継承、普及・啓発及び人材育成に精力的に展開している。
⑪松田 浩(まつだ ひろし) ⑫松田 好史(まつだ よしふみ)
長崎大学に「インフラ長寿命化センター」を設立し、長年にわたり「道守養成講座」、「SIPインフラの地域実装支援」等の活動を通じて産学官が連携した教育研究施設として育て、研究教育、社会貢献、人材育成等に多大な実績をあげている。 鉄道分野においてコンクリート構造物を中心とした長寿命化や強靭化において卓越した総合的かつ指導的能力を発揮し、新幹線のコンクリート構造物の補修品質の向上、高架橋柱の維持管理に着目した耐震補強工法の開発と普及等を推進するととともに、高速道路、地方自治体への支援に活動を広げている。
⑬水口 和之(みずぐち かずゆき ⑭山本 和利(やまもと かずとし)
高速道路の構造物を中心とした設計・施工・維持管理の広範囲に及ぶ技術開発と技術基準の策定に携わっており、鋼少数主桁橋やプレキャストセグメント橋など維持管理の合理化及び耐久性の向上に大いに貢献してきた。土木学会鋼構造委員会委員長も務めた。 国直轄国道の橋梁維持管理に長年にわたり従事し、これまで全国延べ約5,000橋あまりの点検・診断に携わるとともに、これらの経験を活かし、全国橋梁診断員のとりまとめ役として活動し、橋梁の点検・診断分野の発展に貢献してきた。

インフラメンテナンス 特別賞

①写真を通じたインフラメンテナンスの重要性と魅力の発信

(取り組み主体者:山崎エリナ

橋梁やトンネル、道路などのインフラメンテナンスの現場にスポットをあて、現場で働く人々や作業現場を撮影し、これまで日本のインフラを支えてきた人に光をあて、インフラメンテナンスの重要性とそこで働く多くの方々の魅力を伝える活動に取り組んでいる。

 

インフラメンテナンス 優秀論文賞

インフラメンテナンス実践研究論文集は、インフラのメンテナンスを実践した国内外の事例を集め、広く公表、周知することを目的としている。すなわち、メンテナンスの現場で具体的に実践された手法や取り入れられた仕組みに創意工夫がみられ、今後のインフラメンテナンスの技術の進展や実務上の展開が期待される有用な論文を募集した。
また、論文の査読及び表彰論文の選考にあたっては、実践的な内容で実装による効果や将来性の進展が期待できる論文、特色のある内容で将来の進展につながる考察がなされた論文を重視した。
以上のことから、登載される論文は、いずれも社会で取り組まれた実践的な活動内容であり、将来の進展が期待される研究であることから、今回、その実践研究論文の中から、特に優秀と認められる論文を選考し、「優秀論文賞」として表彰することとした。

富山市における生活道路上の道路トンネルのメンテナンス事例

(第一著者:大懸  重樹(おおがけ しげき)(富山市建設部道路構造保全対策課

予算や人員等のリソースが限られる地方自治体における,生活道路上の道路トンネルのメンテナンスについて,メリハリのあるトンネルマネジメントの考え方を示すとともに,具体的に持続可能なトンネルマネジメントを実施した事例が取りまとめられており,実践研究として価値の高い論文である.

感潮河川にかかる橋梁の下部構造に対する非破壊調査の適用について

(第一著者:後藤 幹尚(ごとう みきなお)(大田区都市基盤整備部建設工事課)

市区町村において今後維持管理上の課題となることが予想される,塩害環境下に置かれている橋梁について,予防保全に資する実用的な点検手法を提案および実施し,また,それらに対して適切な評価や見解が示されており,時宜を得た価値の高い論文である

鋼橋の疲労き裂に関する近接目視点検訓練シミュレータの開発

(第一著者:藤原 俊輔(ふじわら しゅんすけ)(一般財団法人首都高速道路技術センター)

仮想空間で効率的に鋼橋の疲労き裂の発生部位と発生原因を学習可能とするシミュレータの開発は,点検技術者の効率的な養成という喫緊の課題に対する有用な解決方法の一つであり,時宜を得た価値の高い論文である.

付着物除去不要な鋼矢板の板厚計測の開発

(第一著者:石川 敏之(いしかわ としゆき)(関西大学)

水中鋼構造物の維持管理・点検技術に資する研究開発であり,論文集の目的に合致していること,また、実海域での評価がなされており実践的で有用性および新規性が評価できるとともに,理論から室内試験,実海域評価まで適切にデータが示されており,完成度および信頼度についても評価できる,価値の高い論文である.

JR東日本における既設山岳トンネルの耐震対策に関する技術資料の制定

(第一著者:北川 一希(きたがわ かずき)(東日本旅客鉄道株式会社)

新潟県中越地震および東北地方太平洋沖地震による既設の鉄道山岳トンネルの大規模被害とその原因分析,またこれに基づいたトンネル耐震対策工や対策箇所の考え方の整理がなされており,鉄道山岳トンネルの耐震対策の具体的な技術資料を取りまとめるにあたっての経緯,構成,および特徴が論じられ,耐震対策工の組織展開を図るうえで価値の高い論文である.

道路橋の震後調査の効率化・高度化に向けた3次元レーザスキャナの試行検討

(第一著者:林 祐葵(はやし ゆうき)(国立研究開発法人土木研究所 構造物メンテナンス研究センター)

本論文は地震後の早急に道路啓開を行うため,道路橋の被害等を迅速に把握し,健全性および供用安全性の判断に,ポータブルな三次元レーザスキャナで得られる形状データの活用を検証したものである.このような非接触計測技術の一活用の可能性を示すものとして,今後の道路啓開の実施にあたって有用な知見が示されており,価値の高い論文である.

お問い合わせ

(公社)土木学会 研究事業課  飯野
TEL 03-3355-3559  FAX 03-5379-0125
E-mail: minoru@jsce.or.jp